春日部つむぎで作品紹介動画を仕上げる
PairHubの縦型紹介動画を33秒に仕上げた制作記録。春日部つむぎの話速と間、音声に合わせた字幕、声を邪魔しないBGMの調整と検査方法をまとめます。
33秒で、暮らしの一場面を伝える
「その買い物、どっちが払った?」。PairHubの紹介動画は、この問いから始めました。機能をすべて並べるよりも、ふたりの暮らしで起きる場面を一つ置き、その後に買い物・家計・共有のお財布という作品の輪郭をつなぐ構成です。
完成版は33.17秒、縦1080×1920、30fps。文字と図形で説明する動画であり、実際の操作画面や利用者の残高を映したものではありません。数値や利用実績を作らず、公開済みの制作記録で確認できる内容に絞りました。
この記事は2026年10月24日時点の制作工程の記録です。再生数や視聴維持率が改善したという結果は、まだ測定していません。
声だけを差し替えても、話し方は揃わない
音声付きの初稿を確認した際、課題になったのは機械的な聞こえ方でした。今回はVOICEVOXの春日部つむぎ・ノーマルを選び、その声に合わせて文章と字幕も調整しました。声の選択は、この動画で求める親しみやすさに合わせた判断です。声ごとの人気順位や、特定の声なら再生数が伸びるという主張ではありません。
基本の話速は1.05前後。問いかけや締めでは1.01〜1.03、短い機能説明では1.04〜1.09を使い分けました。全編を一律に速くすると、作品名や文末を受け取る余白まで失われるためです。
読点の休止は約0.22〜0.27秒、作品名を区切る箇所は約0.30〜0.32秒を初期値にしました。これは合成時の設定値であり、完成動画での文間は約0.4〜0.55秒です。最後の案内は約1.2秒残しています。別の台本でも同じ秒数を機械的に使うのではなく、言葉の長さに合わせて見直します。
字幕は発話の区切りで切り替える
今回の字幕は21区間です。一画面に長文を固定せず、意味のまとまりごとに1〜2行で切り替えました。1080px幅の映像で文字サイズは約39〜48pxを使い、SNSの操作表示と重なりやすい上下・右端を避けています。
字幕のタイミングは、音声合成で得られる音素の時間を基にし、波形の無音部分とも照合しました。次の句の発話より約1フレーム先に字幕を出すことを基準にしています。文字を読んでいる途中で消したり、次の文が始まっても前の字幕が残ったりしないようにするためです。
作業順は、短い台本を書く、声を生成する、間を調整する、字幕を合わせる、映像とBGMを重ねる、の順にしました。先に固定した映像の長さへ声を押し込むと、語尾を切ったり不自然に急いだりする原因になります。
BGMは、声の後ろに置く
BGMは今回の動画用に独自に作成した音源です。第三者の楽曲やサンプルは取り込んでいません。ナレーション中は音楽を最大約11dB下げ、声が終わる箇所で音量を戻すようにしました。
完成音声の測定値は約−16.01 LUFS、True Peakは−2.50 dBTP。これは書き出しの検査値であり、どの端末でも最適に聞こえることの保証ではありません。数値の検査と、人が全編を聴いて確認する作業は分けて扱います。
音声の利用では、春日部つむぎの公式利用規約とVOICEVOXの利用規約を確認し、動画内と投稿本文に「VOICEVOX:春日部つむぎ」を記載しました。キャラクター画像は使用していません。
書き出しと、まだ分からないこと
配布用はH.264とAACのMP4にし、映像と音声を最後まで復号してエラーがないことを確認しました。字幕データと表紙も別に保存し、修正時に同じ内容を再現できるようにしています。
ただし、正常なMP4ができることと、SNSで見やすいことは別です。投稿先のプレビュー、スマートフォンでの文字の読みやすさ、実際の聞こえ方を確認する工程が残ります。公開後は冒頭の離脱や平均視聴時間を見て、変更する箇所を一つずつ選びます。測定前に「視聴維持率が上がった」とは書きません。
今回残った制作上の基準は、声だけで完成とせず、テンポ・間・字幕を同じ単位で直すことです。作品の見た目についてはパステルUIの制作記録、現在の機能と利用条件についてはPairHubの公式案内へつないでいます。